歯周病治療

歯周病治療

歯周病とは

歯の周りに細菌が付着し、歯茎の中に入り込み、最終的に歯を支えている骨が溶けてしまう病気のことを歯周病といいます。実は、歯を失う原因の1位は歯周病で全体の42%もあります。32%で2位のむし歯よりも10%も多いのです。
歯茎が炎症により出血したり、腫れたり治ったりを繰り返すのが特徴です。さらに、骨が溶かされると、歯のぐらつきも症状として出てきます。

成人の約80%が歯周病だと言われている為、自覚症状がなくても歯周病を患っている可能性が十分にあります。その為、できるだけ早期の発見をし、治療、そして予防をしていくことが大事です。

早期の歯周病治療が大切です

歯周病の治療・予防

歯周病の治療法としてまず挙げられるのは、歯石除去です。歯石がついている歯には、自然と細菌が付着しやすくなり、歯周病の進行を許してしまいます。
歯石は、おうちでのケアでは取ることができません。一度固まった歯石は、名前に「石」とついているように非常に硬く、専門家が専用の器具を使わなければ取り除くことができないのです。では、どのような器具を使うのかというと、毎秒約25000~40000回の振動で歯石を破壊し取り除く超音波スケーラーや、歯茎の中に埋まって固まってしまった見えない歯石をプロの手で取り除くハンドスケーラーを使います。
歯石を取り除いたあとは、表面を磨いてつるつるにし、プラークが付きにくいようにします。

そして、患者様ご自身でのおうちのケアもとても重要です。患者様おひとりおひとりに合ったケアを歯科医師または歯科衛生士がご提案いたしますので、口腔内をきれいに保てるような気持ちの良いケアをおうちでも実践しましょう。歯科医院でのケアとおうちでのケアの二人三脚で、お口の健康は守ることができます。

歯周病に対して歯科医院での専用器具を用いた歯石除去

歯周病はお口だけの問題ではありません

歯周病と心疾患

アメリカの疫学研究によって、歯周病は心筋梗塞や狭心症、感染性心内膜炎のリスクも高くなる事がわかってきました。歯周病細菌が持っている血小板凝固因子が動脈に血栓を作り、心臓への血流を阻害させます。その結果、心筋梗塞や狭心症を引き起こす可能性があるのです。
ほかにも、感染性心内膜炎という心内膜に炎症が起こり心臓の働きを低下させる病気も気をつけなくてはなりません。歯周病を引き起こしたからといって必ずしも心疾患を患うという事はありませんが、歯周病を予防・治療することで少しでもリスクを減らす事ができます。

歯周病と糖尿病

糖尿病が歯周病と関係が深い事は随分前から分かっていました。健康な状態では、すい臓から分泌されるインスリンは細胞に糖を届け、それにより細胞はエネルギーを蓄えます。糖尿病の場合このインスリンが不足したり、働きが悪くなるため細胞にうまく栄養素が行き届きません。そのため傷の治りも遅く、細菌感染を引き起こしやすくなり歯周病の進行を早めてしまうのです。ほかにも高血糖になると粘着性の赤血球が増え血液の流れも悪くなりますます傷の治りが遅れてしまいます。
最近では、歯周病が糖尿病に与える影響も注目されています。歯周病菌が産生する物質のなかにインスリンの働きを邪魔するものがあり、そのため血糖値をコントロールするのが難しくなります。歯周病の治療をする事で糖尿病の症状が良くなることも報告されているほどです。

歯周病と低体重児出産・早産

長い間、低体重児出産や早産は尿路あるいは性器への細菌感染が主な原因とされていましたが、最近では出産とは直接関係がないと思われていた歯周病も原因の一つではないかと注目されています。
歯周病細菌が産生する内毒素により慢性的な炎症が続くと、子宮収縮と子宮頸部の拡張を引き起こす物質を作り出します。このため、母親が歯周病の場合低体重児出産や早産のリスクが高くなるのです。
妊娠中は女性ホルモンが多く分泌されます。歯周病菌は女性ホルモンを分解し、栄養源にするので歯周病菌がどんどん増えてしまいます。妊娠中は唾液の分泌量も減り特に歯周病になりやすいので、いつも以上にお口の中を清潔に保つ必要があります。